お知らせ

2026.07.28

全国のおさかな(フグ・福岡・下関編)

2026年7月11日(土)、12日(日)

金沢おさかな普及協会では、福岡「うおざ」下関「唐戸市場」に視察に行きました。

いずれも、フグで有名な都市ですが、フグの水揚量の一位はなんと北海道、次が石川県(能登)、三位は愛知県とのこと。

フグで一番味が良いと言われているのが「トラフグ」です。

下関は江戸時代の禁止令後に明治時代にふぐ食が解禁された歴史を持つ本場です。唐戸市場では、馬関街イベントのお寿司でも、食堂でも気楽にフグが楽しめます。

今回の宿は、下関の対岸、福岡の門司港のため、夕食は門司港「三宜楼」(さんきろう)でトラフグのコースをいただきました。

正式名:三宜楼茶寮KAITO

お品書

先付 ふぐ皮煮凝り  通常の煮凝りよりもプリッと弾力がある仕上がり(濃厚)

椀物 季節の椀物

お造り

ふぐ薄造り

味付けは、上が岩塩、下がポン酢。

岩塩の上に少しの間お刺身を置いてからいただくと刺身の淡泊さが際立ち、噛み締めるごとに甘みが出て美味しい。この食べ方は初めて。

ふぐ皮ポン酢

コリコリの歯触りがなんとも小気味良く、紅葉おろしもピリッと良いアクセント。ポン酢の香りも華やかで、なるほど美味。

ひれ酒(天然トラフグのひれ)   二杯目もとびきり燗で出汁が出る。天然物のすごさ。

  

ふぐの唐揚げ

お酒が進む唐揚げ。そのままでもレモンをかけても。

ふぐちり

お店の方が美しく仕上げて下さるふぐちり。

 

一杯たっぷり。ふぐの味もさることながら、野菜の煮え加減も最高。

二杯目

くずきりがつるつる美味しい。煮え加減が丁度良く、お腹がいっぱいなのに完食してしまいました。

雑炊  器が素敵です。古伊万里が多かったように思います。

 

デザート 白玉あずき

夕食後、二階の大広間にて集合写真を撮っていただきました。

 

二階 大広間

能舞台  天井の造り方が緻密で美しい。

三宜楼の設えは堅調で奥ゆかしい。忍者屋敷のような雰囲気もありながら、ただただ華やかな印象の建物と違い、良き素材を使い良き大工が精巧に作り上げた本物の落ち着きがある。

設えがこうなら中に働く人々も技芸を磨き上げ洗練されたおもてなしをなさるプロフェッショナル集団だったのだろうと類推出来る。物には人が投影され、人が亡くなっても、そこにある物が主人を語りだす。

創業者三宅アサさんの作り出した雅なる世界が、生き馬の目を抜くような時代を駆け抜ける豪傑達の癒やしとなり、今日も解体されずにこの地に建っていることがその証明のように感じる。

門司港、明治から昭和初期にかけて、華やかなる時代がありました。

炭鉱景気で沸き立ち、門司港レトロな赤煉瓦の建物はその当時をしのぶ歴史的遺産です。

筑豊で採掘された石炭は門司港で船に積まれ各地へ運ばれました。1900年前後には門司港の一等市街地の地下は東京日比谷公園の地価と大差ないとまで言われた程です。(三宜楼は1906年創業 )

昭和初期、門司港で商いを始めた出光興産の創始者、出光佐三も、三宜楼に通った顧客の1人。この建物は昼間に無料開放(見学可)のため、玄関入って左側のブースに歴史的な者の展示があるのですが、そこにはしっかり、門司港の祭りの時に、ここ三宜楼から繰り出していく鉢巻き半被姿の若々しい出光佐三の姿が写っています。

百田尚樹「海賊とよばれた男」の中にも三宜楼と思わしき所が出てきます。

今回、現地で三宜楼に続く坂を上りながら、ふと小説を思い出しました。在り在りと出光佐三が確かにそこに存在していたことが感じられました。勿論、三宜楼から坂を下って大通りを真っ直ぐ5分程行った所に出光興産創業の地が有るので物理的に存在していたのは確かなのですが、人間 出光佐三の姿が不意に浮かび上がったのです。

門司港は横浜にも似て狭い土地であるけれどもディープな世界観がある街です。土地の人は明るくカラリとした粋と、人を拒まないおおらかさを持っています。この地が清濁併せのむ経済のハブとなり栄えたのは、この性質を持って軽やかに物事が執り行われたからでしょう。港町の明るさは、繁栄の明るさ。人を拒まない明日を信じる力。

三宜楼は昭和30年代に廃業したのですが建物はそのまま残っていました。それから何十年と経ってから取り壊しに反対する方々が立ち上がり、市がバックアップして建物修復を行ない、記念館として無料開放するほか、唐戸市場で水産仲卸業をされている森本商店の関連会社であるフグ料理専門店「海人」が三宜楼でも委託され飲食営業をされています。

この日の翌日、唐戸市場視察の際に森本商店さんの横を通り過ぎました。

下関と門司港は海を挟んでニコイチ(二個で一つ)のようですね。

下関の美味しいフグを門司港で美味しくいただきました。

今回視察に同行した水産仲卸の社長さんが、フグは身を寝かせた方が美味しい魚なのだけれど、こちらのお料理はしっかりと計算して一番良い状態で出してくれたのではないかと、舌鼓を打ちながらお話してくれました。

「海人」さんの心尽くしのおもてなしに感謝申し上げます。

㈲森本商店 自社HP

下関唐戸市場仲卸協同組合のサイト

㈲海人   自社HP

 

運営情報

おさかな普及協会を運営する、金沢市中央卸市場の紹介です。