お知らせ

2025.08.08

全国のおさかな(ハモ【鱧】京都編)

7月、全国の魚商組合の青年部大会が開かれたため、京都に行ってきた。

夏の京都は兎も角暑い。むわっと蒸した空気が身体にまとわり付く。丁度、祇園祭の真っ只中であり、町全体が活気付いていた。

大会後の懇親会で、100人弱が大広間に集まる大宴会にもかかわらず、二品も鱧料理が振舞われた。

椀種として蓴菜と共に一品、湯引きして叩き梅と共に一品。

どちらも王道の鱧料理だ。

ひとくち食べて驚いた。

京都の鱧は、全然違う。

ふわふわとしていて、骨など何処にも当たらない。

今まで食べてきた鱧とは異次元の品だった。

文化というのはこういうものなのかと思わず唸る。

こちらに戻ってきて土地の料理屋さんに京都の鱧がめちゃくちゃ美味しかった旨を話すと、その方、板前修行を京都でなさっていたそうで、懐かしそうにお話をしてくれた。

梅雨の水を飲んで美味しくなると言われる鱧の旬は6月から7月。

祇園祭の頃は鱧の美味しい季節だ。

大阪の天神祭(毎年725日頃)が終わると、8月の産卵期を迎えて痩せるが、大食漢の鱧は恐ろしい勢いで回復し、わずか2ヶ月後の10月~11月には又脂の乗った状態に戻るとか。生命力の強さが鱧の持ち味であるが、回復の早さにも舌を巻く。鱧の旬は67月、1011月。年に2回。

金沢は西の文化圏の影響を受けている都市なので、料理屋さんだけでなく魚屋さん達も京都で修行をされた方がいらっしゃる。今回の大会にお越しになった重鎮の中にも「昔お世話になったお店に行ってきた」とお話しされる方がいらした。

料理は食文化の最たるもので、ひとくち食べて違いのわかることだからこそ、その価値がわかる。

金沢らしい話だ、と思う。

この街では、美味しいお店しか残らない。品質の確かな店が残る。

金沢人の誇り高さがこんな所にも出ている。

運営情報

おさかな普及協会を運営する、金沢市中央卸市場の紹介です。